日本でもようやく人気となってきた感のあるミニPC。エントリークラスからミドルレンジまで、コンパクトなボディに2.5インチのSSDやHDDなどを増設でき、ポート類も豊富なことが大きなポイント。Amazonを参照していると、BanggoodやAliExpress、GearBestなどの海外通販サイトよりもかなり割高な製品も販売されています。そこで、今回はAmazonで販売しているミニPCのうち、海外通販サイトと同様にコスパの高い製品をピックアップしました。
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目次
Jumper EZBox i3
第5世代と旧世代となりますが、Gemini LakeやApollo Lakeよりもサクサクと動作する Core i3-5005Uを搭載することが最大のポイント。例えば、ミニPCでの搭載事例の多い Gemini Lake N4100と比較すると、劇的な差ではないものの、Webサイト閲覧時のサイトや画像の表示がワンテンポ速く感じます。
旧世代のCPUであるために安価で販売されており、メモリ 8GBであるものの、SSDは128GBと控えめ。ただし、250GBのSSDは5,000円前後で購入でき、Western Digitalなどの大手ブランドのSSDの場合には公式サイトでOSクローンソフトを配布しており、これを利用して簡単にOSをクローン、SSDを換装することができます。

▼Jumper EZBox i3の流通量は少なくなってきましたので、同等品のリンクも貼っておきます。
▼製品の詳細記事はこちら

ACEPC Core i5-7200U搭載モデル
中国通販サイトで古くから展開している「ACEPC」も、Amazonでの販売を開始しました。同型モデルでは、Celeronを搭載するバージョンが2つありますが非力となるために、おすすめはインテル 第7世代のCore i5-7200Uを搭載するバージョン。この場合、データ量の多いExcelやAccessでも、第8世代のCore iシリーズと同様にサクサクと動作します。
また、128GBと容量は少ないものの、SATAより高速なNVMe対応のPCIe SSDを標準装備していることも大きなメリット。HDDとSATA SSDほどの劇的な体感レスポンスの相違はありませんが、Windows 10の起動や終了、大容量ソフトのインストールにおいて、SATA SSDとの相違を体感できます。
▼一般的な利用ではメモリ 8GBで十分ですが、換装も可能です。また、標準装備の128GBのドライブを起動専用とし、2.5インチ SSDを増設しファイルなどの保存用とすることもできます。
▼おすすめはこちらの Core i5-7200U版。Celeronモデルも選択できますが、やや非力となります。
▼こちらはAliExpressで販売の同モデル。SSDはSATA接続となりますが、RAM 8GB / SSD 128GBの場合、Amazonより安い 32,940円。AliExpressの場合、納期は最短でも2週間(長い場合は1ヶ月超になることも)となりますが、価格優先の場合は海外通販サイトもありです。以降のミニPCも同様に、海外通販サイトとの価格差が大きい場合には、海外通販サイトの価格を参考表示しています。
▼製品の詳細記事はこちら。

MINISFORUM U500-H
上記のJumper EZBox i3と同スペック(Core i3-5005U、メモリ 8GB、128GB SSD)となる「MINISFORUM U500-H」もよい製品です。MINISFORUMはミニPCの専門ブランドとして 公式サイトも立派、内部の構成・梱包ともにしっかりしています。また、後述のKODLIXのミニPCも同社の製品です。
第5世代のCore i3-5005Uを搭載しており、Webサイト閲覧やオフィスソフトなどの軽めな作業でも、Gemini Lakeを搭載するミニPCよりも快適であることを即感じることができます。
▼他の多くのミニPCと同様に、標準装備の2280サイズのM.2 SSDはより大容量のものに換装可能。2.5インチのHDD / SSDを増設することもできます。
▼こちらは僅かに優位な Core i5-5257Uを搭載する「U700」。体感レスポンスとしては「U500-H」と変わりません。
▼デスクトップ並みのハイエンド機をお探しなら、こちらのH31G。

CHUWI CoreBox
上記のJumper EZBox i3、MINISFORUM U500-Hよりも僅かに優位なCore i5-5257U、メモリ 8GB、SSD 256GBを搭載しています。Core i3-5005Uと同様に以下で掲載のCHUWI HeroBox(Gemini Lakeを搭載)よりもワンランク上の動作となりますが、実機の使用感では以下に留意する必要があります。
- 前面にUSBポートがないこと。
- 他のミニPCと比較すると大型なこと。
- CPUファンの音量がやや大きいこと。
▼後述のBMAX B4 Pro(ミニPCとしては標準的なサイズ)と比較していますが、CoreBoxは大柄です。
▼ミニPCとしては立派なヒートシンク・CPUファンを備えていますが、ファンはライトユースでも頻繁に動作し動作音は大きめ。
▼実機レビュー記事はこちら

▼上位のCore i3-1005G1を搭載する「CoreBox Pro」も販売されています。レスポンスを優先する場合にはこちらも候補になります。ただし、同じボディを使用しているため、ミニPCとしては大柄であることに注意(CPUファンも通常のCoreBoxと同様に大きいかも)。

MINISFORUM X35G
上記の「CHUWI CoreBox Pro」と同じくCore i3-1005G1を搭載するミニPC「MINISFORUM X35G」。CoreBox Proが大柄なのに対して、X35Gは通常のミニPCのサイズとなり、以下の実機レビューで記載していますが、アルミ製ボディの質感はかなり高く(私が実機レビューしたミニPCではダントツです)、CPUファンも特筆すべきほど静音であることが大きな特徴。


▼こちらはAliExpressに搭載の実機写真ですが、上のレビュー記事のとおり、写真そのままの質感です。
メモリ 16GB、NVMe対応のPCIe SSD 512GBと大容量であるため、他のミニPCよりもやや割高ですが、レスポンス、質感の高さ、静音製を確実に抑えるなら本製品で決まり。
CHUWI LarkBox
会社・自宅間の持ち運びにも便利なコンパクトさを求めるなら、こちらのCHUWI LarkBoxで決まり。61mm角、127gの小さなボディに、Celeron (Gemini Lake) J4115を搭載し、メモリは6GBですので、Wordやデータ量・関数の多くないExcelはサクサクと動作します。
ストレージは128GB eMMCですが、2242サイズのM.2 SSDを増設でき、OSクローンにより起動ドライブ化することもできます。ただし、実機の使用感として、小さなCPUファンの高回転で冷却用の風量を確保しているため、CPUファンがやや喧しく感じます。
▼2242サイズのM.2 SSDを増設した様子。
▼小さくても、USB Type-C、USB 3.0 x 2とポート類は充実
▼CHUWI直販でもあり、海外通販サイトと同水準(あるいはそれ以下)の価格となっています。静音とありますが、それほど静音ではないことに留意ください。
▼実機レビュー記事はこちら。

wajun Pro-X1
海外通販サイトでは見たことのないミニPC。スペックとしては、CPUにGemini Lake N4100、メモリ 8GB、ストレージ 120GB SSD (1TBまで5種類のオプションあり)と、CPUは普段使いでは遅く感じない程度のエントリークラスですが、最大の特徴はOffice 2019を搭載し、しかも Windows 10 Homeではなく Proであること。
この仕様で、2020年5月6日時点の価格 27,800円は安いです。ただし、Office 2019はYahoo! ショッピングで激安品が流通していますが。
BMAX B2 Plus
Gemini Lake N4100相当のCeleron J4115を搭載し、Webサイト閲覧や在宅勤務で利用する軽めのオフィスソフト(データ量の極端に多いエクセルやアクセス以外)ならサクサクと動作します。
実機を確認して判明したことは、異様に静かなことに、Windows 10 Proを搭載していること。さらには、おまけ程度と思っていたビルトインスピーカーは意外にもしっかりとした音質であること。ボディはプラスチック製ながらも、その塗装により質感も高く(天板のロゴが大きいですが)なっています。
また、SSDはデフォルトのSATA接続以外に、より高速なPCIe SSDに対応しており、M.2 SSDの空きスロット、2.5インチ SSDのポートもあり、合計3台のSSDを搭載できることも大きな特徴。
▼下位のBMAX B2も販売されていますが、レスポンス面ではB2 Plusがおすすめ。
▲▼実機レビュー記事はこちら。


▼上の記事で掲載の内部の写真。上にあるのが M.2 SSDの空きスロット。下の白い端子は、2.5インチ SSDの接続先。「BMAX B2,B2 Plus、SATAケーブルの販売情報。2.5インチ SSDを増設可能に」に記載のとおり、2.5インチ SSD接続用のSATAケーブルも他サイトで販売されています。
BMAX B4 Pro
2021年1月3日時点ではAmazonにて販売されていませんが、参考で掲載です。上記のBMAX B2 Plusがエントリー機の位置づけなのに対して、こちらのB4 ProはミニPCとしては、ミドルレンジからハイエンド。
CPUは第8世代のCore i3-8145U、メモリ 8GB、SSDはNVME対応の256GB(ヒートシンク付き)、さらにはWindows 10 Proを搭載しています。その普段使いでのレスポンスは上位のCore i7-8565Uと遜色なく、かなりサクサクと動作します。
また、Amazonの製品紹介に「静音」とあり、「静音」をアピールする製品にはそうでもないものが存在するなか、当製品は負荷をかけた場合にも静かです(ファンレスではありません)。
▼実機レビューはこちら

Skynew S3
上記のBMAX B4 Proと同じく Core i3-8145Uを搭載するバージョンも選択できる「Skynew S3」。標準装備のSSDはSATA接続ですが、Core i3-8145U搭載機はより高速な NVMe対応のPCIe SSDにユーザー側で換装できます。
さらに大きな特徴は、上の画像のとおり、ヒートシンク状の天板を採用することによりファンレス機で完全に無音。第8世代のCPUでファンレスのミニPCは多くないために貴重は存在です。
▼②はSATAの接続ポート(ケーブル付属)。2.5インチのHDD / SSDも増設できます。
▼より詳細な記事はこちら。

MINISFORUM UM200
インテル製CPUを搭載するミニPCよりもコスパの高い傾向があるのが、AMD Ryzenを搭載する製品。造りのしっかりしたMINISFORUMのミニPCのうち、AMDのCPUを搭載する製品として Amazonでは「UM200」が販売されています。先日まではAMD Ryzen 3 3300Uを搭載する「UM300」も販売されていたのですが、Athlon 300Uを搭載のUM200に切り替わっています。

▲こちらはUM300の実機レビューですが、UM200も同じボディを搭載しています。UM300とUM200では大きく体感できるほどのレスポンスの相違はないのですが、Amazonで販売のUM200は割高感があることが残念。
▼製品の紹介記事はこちら。

▼こちらはBanggood 日本サイトでのUM300の価格情報。メモリ 8GB、SSD 256GB版は、クーポン「BGJPMN10」の利用により 32,119円となります(1/11までの新春 初売りセール価格)。Banggoodのその他のミニPCのクーポン情報は、こちらのBanggood セール会場を参照。
参考、Apple M1チップのMac mini
Windows 10 ミニPCとは比較にならないほどのベンチマークスコアとなる、Apple M1チップの新しいMac mini。第8世代以降のCPUを搭載するミニPCをお探しなら、多少コストアップするもののMac miniもおすすめです。サイズ的には、通常のミニPCよりも一回り大きくなりますが、動画編集でも使用できるチップに加え、NVMe 対応のSSDも、Windows 10 ミニPCに標準装備のもの以上に高速です。
▼Windows 10 ミニPCとの価格・スペックの比較は以下の記事を参照。

▼Apple M1 チップ搭載のMacBook Air 実機のベンチマークスコアは以下を参照。

参考、あわせて使用したいキーボード
旧型のApple ワイヤレスキーボード、ロジクール K380など、多くのキーボードを試してみたなかで、最もタイピング感がよく快適なのが、上の写真・以下で実機レビューの「iClever USB無線キーボード」。浅すぎず、深すぎずの程よいストロークで、大学生の息子も同キーボードを利用していますが、私・息子ともにタイピング感のよさは、旧型のApple ワイヤレスキーボードよりも快適との評価。無線マウスも付属しています。

参考、マイク内蔵 Webカメラ
多くのミニPCはマイクを内蔵していないために注意が必要です。その際に利用価値の高いのが高画質のマイク内蔵 Webカメラ。我が家の就活生は私が用意したミニPCに24インチのモニター、上の画像のWebカメラ「eMeet NOVA 」を利用して、オンラインでの面談・インターンを行っています。

参考、15.6インチ モバイルモニター
私がミニPCと合わせて使用することが多いのが、15.6インチのモバイルモニター。私はミニPCの接続先として、24インチのモニター、40インチのテレビとすることも多いのですが、コタツ台の上などで 15.6インチのモバイルモニターを使用するのもよいものです。
▼実機レビュー記事はこちら



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