今回レビューする製品は、CPU(SoC)にHelio G99を搭載する 8.4インチタブレットの「ALLDOCUBE iPlay 50 Mini Pro」。従来版は、UNISOC T606を搭載していますが、CPUにメモリ、ストレージにカメラの画素数、18Wの急速充電に対応と、大幅にスペックアップしています。
他のHelio G99を搭載する端末と同様に、AnTuTu ベンチ v10のスコアは約40万となり、高速なUFS ストレージとあわせてキビキビと動作します。ただし、従来版が動画配信サービスの動画の高画質再生が可能な Widevien L1に対応しているのに対して、Pro版はWidevine L3となります。
レビューする製品はこちら 当記事ではアフィリエイトリンクを掲載しています。
ALLDOCUBE iPlay 50 Mini Pro、Banggood
iPlay 50 Mini Proのスペック
UNISOC T606を搭載する「iPlay 50 Mini」は以下の記事にて実機レビューしています。
Alldocube iPlay 50 Mini 実機レビュー、90ドル未満にして AnTuTu スコアは約24万、Widevine L1対応のFHD、鮮やか液晶の8.4型タブレット
Helio G99を搭載する「iPlay 50 Mini Pro」は、下表の黄色網掛けの項目にてスペックアップしています。CPUにメモリ、ストレージにリアカメラ、バッテリー容量に急速充電対応と大幅にスペックアップしています。一方、シングルスピーカーであることは従来版と同じであり、また、従来版はWidevine L1に対応(動画配信サービスの動画をHD再生可能)しているものの、Pro版はWidevine L3のSD画質です。
CPU | Helio G99、8コア |
メモリ | 物理メモリ 8GB +ストレージから8GBまて拡張可能 |
ストレージ | 256GB、UFS 2.2 |
ディスプレイ | 8.4インチ、IPS、解像度 1920 x 1200、明るさ 300nits、In-cell |
WiFi、Bluetooth | 11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.2 |
LTE | FDD:B1/2/3/4/5/7/8/20/28AB/66、TDD: B38/39/40/41 |
カメラ | フロント 5百万画素、リア 13百万画素 |
バッテリー容量 | 5000mAh 18W急速充電、充電ポートは USB Type-C |
サイズ、重さ | 202.7 x 126 x 7.5mm、306g |
OS | Android 13 |
その他 | GPS搭載 |
▼これまでに実機レビューした Helio G99を搭載するスマホ・タブレットは以下の記事にて まとめています。AnTuTu ベンチスコアは約40万となり、これまで主流であった UNISOC T616 / 618と比較すると、10万以上のスコアの差をつけています。
Helio G99を搭載するタブレット・スマホ 3製品、実機レビューとベンチマークスコアのまとめ
実機のシステム情報
続いて、実機にてアプリ「Device Info HW」から抽出のシステム情報を掲載します。
▼最下段に「フラッシュ=UFS」とあり、eMMCより高速なストレージ UFSであることを示しています(後段のベンチマークスコアからの判断では UFS 2.2)。物理メモリは8GB LPDDR4X
▼CPU(SoC)のMT6789V/CD = Helio G99は、Cortex-A76 x 2 / Cortex-A55 x 6の8コア。GPUは Mali-G57 MC2
▼8.4インチの液晶の解像度は1920 x 1200、リフレッシュレートは 60Hz
▼物理メモリは8GB。256GBのストレージは、AnTuTu ベンチ、Geekbench 6などをインストールしていますが、空き容量は222GBと余裕です。
▼バッテリー容量はスペックどおりの5000mAh。稀に製品紹介の仕様と異なる容量のタブレットも存在します。
仮想メモリを増やす手順
ストレージの空き容量を、仮想的に最大8GBまでをメモリとして割り当て可能な「メモリ拡張機能」を搭載しています。以下の記事に記載していますが、メモリ拡張の割り当て手順は製品によって異なることが多く、iPlay 50 Mini Proの場合にも、UNISOC T606のiPlay 50 Miniと異なっています。
Android タブレットのメモリ拡張機能、複数パターンの設定項目と設定方法のまとめ
▼設定画面・左メニュー項目の「Memory Expansion」をタッチします。右の画面では、メモリ拡張機能が有効化されていますが、0GB=拡張なしとなっています。
▼メモリ拡張を有効化する場合、上の画像下のAのバーをお好みのGBまで右側にスライドします。スライド後の端末の再起動により、割り当てた仮想メモリが有効となります。
▼6GBの拡張メモリが有効となりました。
開封、外観
開封、付属品、外観について記載します。外箱・付属品・外観ともに従来版のiPlay 50 Miniと同じです。
▼従来モデルと同じ外箱に収納されています。
▼他のタブレットと同様にビニールで梱包されています。
▼付属品は充電ケーブルとACアダプター、日本語表記のあるクイックガイド。海外からの取り寄せ品ですが、ACアダプターはEUプラグ。Banggoodさんのサービスで、日本プラグへの変換アダプターが付属しています。
▼他のタブレットと同様に、フィルムは貼り付け済です。フィルムはやや引っ掛かりを感じるものの、気泡の混入はないです。
▼金属(アルミ)製の質感の高い背面です。両端のツートンの部分に、色の相違の大きな違和感はありません。
▼拡大してみるとエッジに継ぎ目があるように見えますが、目視できない程度のものです。金属調の塗装も上質であり、同社の上位のタブレットと同じ品質です。
▲最近ではヘッドホンジャックのないタブレットもありますが、角の部分にヘッドホンジャックがあります。
▲写真の右下にスピーカーがありますが、iPlay 50 Mini Proの仕様で惜しいのが、従来版と同じくシングルスピーカーであること。また、従来版は動画配信サービスの高画質(FHD)再生が可能な「Widevine L1」に対応しているのに対して、iPlay 50 Mini Proは「Widevine L3のSD画質」であること。
▼サイドの電源ボタン・音量調節ボタンは 樹脂 or 金属の識別ができませんが、配色の違和感はなく、操作性は良好です。
▼写真ではわかりにくいですが、逆サイドの右側にSIMトレイがあります。
▼参考までに、iPlay 50 Mini 従来版(右)を並べて撮影しました。写真では背面の色が若干異なるように見えていますが、実際には同色です。
▲カメラとスピーカーの位置・デザイン・サイズも同じであり、同ボディを採用していることがわかります。
液晶
従来版のiPlay 50 Miniと同様に明るく鮮やかな液晶ですが、同じ液晶を搭載と思っていたものの、色合いが異なります。どちらが好みかは人それぞれですが、感覚としては以下の相違があります。
- 黒の背景がより引き締まり、壁紙のブラックとレッドがより鮮やかなのは Pro版
- 白を背景とした場合、従来版は寒色系、Pro版は暖色系
▼当サイトのトップページを表示した際の色合いの相違。左の従来版は寒色、右のPro版は暖色です。私はどちらかと言えば、従来版の色合いが好みです。なお、従来版では色温度を調整できますが、Pro版は現在のところ、色温度の調整項目が見当たらず。
▲▼色温度の相違は以下の記事においても掲載しています。
ALLDOCUBE iPlay 50 Mini Pro vs 50 Mini 、スペック・実機で計測のベンチスコア比較と液晶の色温度の相違
Android スマホ・タブレットで液晶の色温度を変更する方法。3パターンでの変更手順
▼他のタブレットと同様に周囲の物の映り込みは大きいですが、明るく鮮やかな液晶です。私はスマホ・タブレットともに明るめで使用することが多いのですが、明るさ調節 7割でほどよい明るさです。
▼この角度から見ると色合いは変化しますが、視野角は広いもの。
▼当サイトのトップページを表示。画像を圧縮しているため、文字は滲んでいますが、実機ではクリアです。単体ではそれほど気にならないものの、上述のとおり 従来版と並べてみると暖色系の色合いです。
Widevine L3での動画再生
繰り返しとなりますが、iPlay 50 Mini 従来版は、動画配信サービスのHD画質(1280×720)再生が可能な「Widevine L1」に対応していますが、Pro版の本製品は SD画質(720×480)に対応の「Widevine L3」です。以下の記事にも記載していますが、Widevine L1とL3の再生画質を、huluにてあらためて確認してみました。
結果として、動画の画質に鈍感な私には 画質の大きな差を体感できず。iPlay 50 Mini vs Mini Proでは、コントラストの相違もあり、iPlay 50 Mini Proが より綺麗に感じることもあります。
Android 端末における Widevineとは。概要とL1,L2,L3の相違、L1,L3の画質を実機で確認してみた
▼アプリ「DRM Check」で確認の iPlay 50 Mini ProのWidevineは L3
ベンチマークスコア
続いて実機で計測のベンチマークスコアを掲載します。比較対象は以下の記事にて実機レビューの、本製品と同じく Helio G99を搭載する「N-One NPad X」と、UNISOC T606を搭載する「ALLDOCUBE iPlay 50 Mini」です。


▼AnTuTu ベンチ v10のスコアは「395,127」。上の記事で掲載のHelio G99を搭載する「N-One NPad X」のスコア「392,606」より、僅かに高いスコアです。画像2つめの iPlay 50 Mini 従来版とのスコアの差は明らかです。
▼Geekbench 6のスコアは「シングルコア 710、マルチコア 1848」。2つめのUNISOC T606のiPlay 50 Miniとは相応の差があります。
Androidでストレージの速度計測なら「CPDT Benchmark」、メモリの速度も計測可能で、機種により大きな相違も
▲▼上の記事で紹介のアプリ「CPDT」にて計測のストレージの読み書きは「Write 383MB/s、Read 560MB/s」。ReadはPCのSATA SSD並みの速度であり、2つめの画像の従来版と比較すると大きな差があります。
LTE接続
サブ運用のドコモ回線・OCN モバイル ONEのSIMを挿入し、自宅近辺でのLTE 回線速度を計測してみました。電波強度の強くない千葉市郊外の自宅近辺ですが、以下のとおり実用的には十分な、他のスマホやタブレットと同等の速度が出ています。なお、プリセットのAPNは多くなく、手動での設定です。
▼OCN モバイル ONEは、NTTドコモとの合併により、新規申し込みを停止しています。繋がりやすさとタブレットでも使用できる汎用性では、私の家族が利用中の「ahamo」、あるいは「Y!mobile」がおすすめです。
体感レスポンス
私のAndroid タブレットの用途は、Web サイトのブラウジング、YouTube / hulu / Netflixの動画視聴、画像加工を含む記事の編集、ショッピングやSNSのライトユースです。この範囲では、AnTuTu ベンチスコア 約24万のUNISOC T606 / iPlay 50 Miniと スコア 約50万のHelio G99 / iPlay 50 Mini Proでは、著しいレスポンスの相違はありません。それでも以下の点などにおいて、Helio G99の本製品の優位性を感じます。
- スリープからのロック解除、ホーム画面や設定画面など、CPUパワーを要さない場面でも、より一層キビキビと動作する感覚。
- 私の普段使いにおいては、メイン利用のiPhone 12 Pro Max、その他の上位のAndroid スマホと比較しても遜色ないレスポンスです。
- AnTuTu スコア 10万台後半の端末では、スリープからの復帰時に 多少カクカクすることもありますが、スムーズに動作します。
- UFS ストレージの恩恵により、大容量アプリのインストールも速く、待たされ感はありません。
サウンド
シングルスピーカーの本製品ですが、シングルスピーカーから想像するほどに音質・音量はわるくないです。
- ステレオスピーカーと比較すると迫力に欠けるものの、中高音ともにわるくない音質です。
- ジャンルの異なる製品との比較ですが、少なくとも先日レビューした ポータブルモニターのステレオスピーカーと比較すつと、大きな差はない感覚。
- 音量を大きくすると、ボディ内部にこもりがちな音質となり、また、音量は多少割れてしまいます。
- 上記により、音楽にはやや難があるものの、音楽以外のYouTubeやhuluのドラマなどでは実用的です。
カメラ
8百万画素のリアカメラを搭載する製品も多いなか、本製品は13百万画素のリアカメラを搭載しています。タブレットにおいては、低画素のシングルカメラでもあり、あくまでメモ書き代替となりますが、短期間使用する範囲ではわるくない感覚です。
室内外での撮影ともに、実際の色よりも多少淡い描写となりますが、メモ書き代替としては十分、大きくない画像なら、記事掲載も何とか使用に耐えるもの。UFS 2.2のストレージと低画素カメラであるために保存は速いものの、近距離のフォーカスはややあまくなります。
まとめ、価格情報
私個人の感覚によるものですが、懸念していた Widevine L3のSD画質の動画再生は普通に綺麗なもの。8.4インチ FHD+のAndroid タブレットは複数販売されており、iPlay 50 Mini / iPlay 50 Mini Proはシングルスピーカーのマイナスポイントがあるものの、Helio G99 / RAM 8GB / UFS 256GBの基本スペックにて秀でていることを、実機の操作であらためて認識しました。
▼Banggoodの販売情報。クーポン「BGJP8a5b」の利用により 129.99ドル(クーポンは9/30まで有効、9/10現在のBanggood 適用レートでの円換算額は 約19,200円)
▼Banggoodより割高ですが、Amazonにおいても販売開始となりました。
▼iPlay 50 Mini Proと50 Miniの相違は、以下の記事においても掲載しています。
