今回レビューする製品は、インテル 第13世代のCPUに、14インチ アスペクト比 16 : 10のディスプレイを搭載する「ThinkPad E14 Gen 5」です。ThinkPadとしてはエントリークラスの製品ですが、購入したモデルは Core i7-1360P、オンボードメモリ 16GB、2.2K 解像度の液晶を搭載する、シリーズ ハイエンドの製品。また、メモリ 16GB増設し合計 32GBとし、2nd SSDも増設しました。
製品受領前の想像よりも筐体の質感は高い一方、使用直後には 液晶の色合いと、ThinkPad 旧製品との比較でのキーボードのタイピング感に多少の違和感があったものの、慣れてくるうちに双方ともに十分に満足できるものとなりました。
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ThinkPad E14 Gen 5 シリーズ一覧(インテル CPU)、Lenovo 公式ストア
ThinkPad E14 Gen 5 シリーズ一覧(AMD CPU)、Lenovo 公式ストア
ThinkPad E14 Gen 5 / Core i7-1360P モデル、Lenovo 公式ストア
ThinkPad E14 Gen 5のスペック
Lenovo 楽天市場店で開催していた「ThinkPad 大感謝祭」にて、下表のモデルの5万円オフクーポンが配布されており(9月30日現在では クーポンセール終了)、私はこれを利用して購入しました。楽天ポイントの付与も含めれると実質 約10万円での購入です。
メモリはDDR4となりますが、Core i7-1360Pに16GB オンボードメモリ、1TB SSD、2.2K 解像度・広色域のモデルです。また、冒頭に記載のとおり、製品を受領後 直ちに メモリ 16GBを増設し合計 32GBとし、512GBの2nd SSDを増設済です。
ThinkPad E14 Gen 5のメモリを16GBから32GBに増設、手順と増設前後のベンチマークスコア
ThinkPad E14 Gen 5、片面実装 2nd SSDの増設手順。SSD 2基搭載、メモリ 32GBの仕様にカスタマイズ
CPU | Core i7-1360P、12コア 16スレッド、TDP 28W |
GPU | Intel UHD Graphics |
メモリ | 16GB DDR4-3200MHz (オンボード)、空きスロットあり、32GBに増設済 |
ストレージ | M.2 PCIe-NVMe Gen4 1TB SSD、空きスロットあり、512GB 2nd SSDを増設済 |
ディスプレイ | 14インチ、解像度 2240 x 1400、非光沢、IPSパネル、100%sRGB, 300 nit |
WiFi | Wi-Fi 6対応 |
Bluetooth | 5.2 |
ポート類 | USB4 (Thunderbolt 4 対応) 、USB Type-C 3.2 Gen 2、USB 3.2 Gen 1 (Powered USB) 、USB 2.0 、HDMI、有線LAN |
サイズ | 313 x 219.3 x 18mm |
OS | Windows 11 Home |
その他 | バックライト付きキーボード、指紋認証 |
スペックの補足は以下です。
- インテル 第13世代 Coreを搭載するPCでは、DDR5のメモリを搭載する製品も多いなか(Lenovoの事例としては、こちらの記事で紹介のIdeapad)、DDR4のメモリです。
- メモリとM.2 SSDの空きスロットがあることも特徴の一つです。ただし、標準装備、空きスロットのSSDともに、製品数の少ない2242サイズとなり、より高速なPCIe SSDへの換装、増設は限定されます。
- エントリー構成のモデルは、指紋認証なし、キーボードのバックライトなしです。
実機のシステム情報
続いて、実機から抽出のシステム情報を掲載します。
▼メモリ増設前のデフォルトでの Windows 設定のデバイスとWindowsの仕様。スペックどおりに Core i7-1360P、メモリ 16GB、OSはWindows 11 Homeです。
▼推奨の解像度は2240 x 1400、拡大率は150%であり、程よいサイズでの見え方です。
HWiNFO、Windows PCのデバイス詳細情報やCPU温度など、導入必須のフリーソフトの概要
フリーソフト「HWiNFO」利用による Windows PC バッテリー劣化度の表示事例
▲▼上の記事で掲載のフリーソフト「HWiNFO」から抽出のシステム情報。クリックで拡大できます。
▼上の画像のCPUを拡大。Raptor Lake-PのCore i7-1360Pは、P-Core 4コア 8スレッド、E-Core 8コア 8スレッド、合計 12コア 16スレッド、TDP 28W
▼こちらはメモリを16GBから32GBに増設後。16GB オンボードではシングルチャネルでしたが、デュアルチャネルでの動作です。デュアルチャネルとすることで、ベンチマークスコア、メモリの帯域幅は向上します(後述のベンチマークスコアを参照)。
▲▼標準装備のSSDの型番は「Micron MTFDKCD1T0TFK」。PCIe 4.0 SSDですが、Amazonではかなりの高額で販売されています。Amazonの製品説明では「シーケンシャル 読み取り/書き込み最大(MB/秒) 3500 / 3000とあり、後段のベンチマークスコアのとおり ほぼ公表値と同水準の速度が出ています。
外観
底板はアルミ製、天板はおそらくは樹脂製の筐体です。所有する樹脂製ボディのThinkPadは X280、その他の古い製品よりも、少し良い程度の質感を想像していたのですが、キーボードも含めた全般的に想像以上の質感です。
▲▼左サイドのポート類は左から、USB 3.2 Gen2 Type-C、USB4 (Thunderbolt4 対応)、USB 3.2 Gen1 (Powered USB)、HDMI、マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック。USB-Aは、無線ドングルによっては、挿入にやや硬さも感じます。
▲▼右サイドは左から、USB 2.0、有線LAN、セキュリティキーホール。右サイドのUSB-Aも USB機器によってはやや硬いです。
▲指紋認証兼用の電源ボタン。他のWinodws PCも同様ですが、指紋認証の精度は高いです。
▼ヒンジ側、左右両サイドともに、底板のはめ込みなど 高い精度での作りこみです。ただし、精度が高いこともあり、底板の取り外しには やや時間を要します。
▼通風孔はヒンジ側に備わっています。ThinkPadでは、通風孔が右サイドにある製品も多いですが、マウス操作時には熱風が手に直撃し、途中で作業を中断することもしばしばあります。この点、本製品はそのようなこともなく作業を持続でき、効率化・生産性の向上にも繋がります。
▼ThinkPadのロゴの質感は、他製品と同様です。天板の赤の部分は、他のThinkPadと同様に電源オンで点灯します。
▲▼上の写真で天板の質感が伝わるでしょうか。想像よりも質感が高い一方、底板・パームレストも含めて、油脂の付着は目立ち、こまめに拭き取る必要があります。
▲左下に小さく記載されていますが、底板はアルミ製。以下は外した底板ですが、所有するX1 Carbon 4th / 5thと比較すると、底板の剛性はより高いです。
▼分割式の65W 電源アダプター。GaN 電源アダプターと比較すると大きいですが、本体の重量からも自宅メインでの使い方となるため、課題とはなりません。